詩の原野

いろんな人の詩心の原野に迷いこみたい

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

第三芸術

ごあいさつ 芸術を考えていて宮澤賢治の詩「第三芸術」と出合った。これをこのブログ始めのご挨拶代わりとして挙げさせていただきます。賢治のは世間の第三芸術と異なるとお思いの方もいらっしゃるようですが、(発表の順という事にして)私は賢治の第三芸術論…

おむすびころりん

宮澤賢治の詩「第三芸術」にお伽噺「おむすびころりん」を想った。人はそれぞれだし、入り口は無数にあるでしょう。おむすびころりんは「高いところからどんどん転がり落ちるおにぎりを追っかけていった先は地獄だった」という設定はどなたもご存知のとおり…

落葉松に青

入りゆくや落葉松未知の青籠めて 橋本多佳子 (いりゆくやからまつみちのあおこめて) 落葉松(からまつ)の道を入って往く影ありそこは近づく人など滅多にいなかった林の筈男は落葉松の一本一本を確かめるように歩くそして寂しい・寂しいと口遊んでいるよう…

花しどみ

花しどみ老いしにあらず曇るなり 橋本多佳子 (はなしどみ おいしにあらずくもるなり) 第五句集・遺句集「命終」の冒頭句。この句集には昭和三十一年五月から昭和三十八年三月までの凡そ七年間に詠まれた句が載せられているようです。花しどみを知らない私…

一処一情

ご遺族が折角出してくださった「橋本多佳子全句集」なのに殆んど読めないままに済ませては勿体ない。多佳子の師・山口誓子の解説を読み、小池昌代氏のエッセイに目をとおし、橋本多佳子の句・句誌への想いにも触れることができた。そう思っても精力と生涯を…

多佳子の座

あぢさゐの夕焼天にうつりたる 橋本多佳子 (あじさいの ゆやけたかくに うつりたる) 「夕焼天」をどう読もうか迷ったが、今もまだ迷っている気持ちがある。これは小池昌代氏の読みかたを知りたいと思うも、氏の都合はある筈だし・やっぱり自分なりの理解で…

長谷川かな女

(ここでは直前の記事で触れた長谷川かな女を述べる)生涯の影ある秌の天地かな 長谷川かな女(しょうがいのかげ あるあきのてんちかな) 「生涯の影ある / 秌の天地かな」とも読めますが‥「生涯の影 / ある秌の天地かな」と読ませていただきます。 (句意)…

他人ごと? 私ごと?

近代俳句の創始者・正岡子規の次の句は夙に知られるが、どういう訳か誰一人も歯切れ好く説明デキないのはどうしたことか?それでここに今回取上げた。 鶏頭の十四五本もありぬべし 正岡子規 素人や新人が分らないのは教わった記憶がないからであれば仕方ない…

芭蕉・蕉門の目的地㊦

タテの繫がりとかヨコの繫がりとか云うがワケの分らん中途半端な文章が多いなか、臨床心理士はさすが分りやすい文章をお書きだと想わせられて、氏の知恵をお借りする。臨床心理士・中島美鈴氏の記事の概要。仕事は「タテ」の関係・プライバシーは「ヨコ」の…

芭蕉・蕉門の目的地㊥

情報化が進んだ現代世界で情報の温存を図る努力は徒労に終わりそうだ。仮に内緒の貯金を人知れず遺して、それでこの貯金でほくそ笑むのは誰?笑 情報=お金。狡い誰かがあなたの情報を盗もうとしている。私なら知識・情報を公開する。あなたにも公開をお勧め…

奥の細道の決意

※芭蕉・蕉門の目的地㊤の記事途中から飛んできております 草の戸も住み替はる代ぞ雛の家 松尾芭蕉(くさのとも すみかわるよぞ ひなのいえ) 桃の節句ということでこの句を想い起したが、もしかして芭蕉の想いが私にのり移ったのだろうか‥と観察するに桃の節…